ギア比を変えれば燃費が向上する・・かも?
えー、その前に結論を急ぎたい方はコチラをクリックして下さい。
30psのイエローエンジンを搭載した当ミニキャブEL、街乗りでの燃費は約10km/㍑ちょっと。60km/h~80km/hの巡航を行って約12km/㍑程度に。。。
この数字は家車である平成23年式ZRR75型VOXY(ZS、4WD)と同じレベルで、大変立派な不経済車です。
せめて15km/㍑程度の水準にならないものか・・・
一応運転自体による燃費向上は常に心がけています。
- 赤信号等で停車することが明らかな場合はギアを抜き惰性(惰行)運転を行う
- STOP&GOを減らすべくアクセルワークにより平均速度を下げない運転を行う
- 殺人的な急加速、殺人的な高回転運転は行わない。殺人的な積載も行わない
- 乗らない、草ヒロツアーも行かない
このようにいわゆる”ソフト面”はほぼバッチリであり、あとは”ハード面”で何とかすれば・・・
というわけで根本的な燃費向上が出来ないかを考えた結果、ギア比の変更を思いつきました。
お客様、本日はどこのギア比を変えましょうか?
そうですねぇ~、低トルク型のソフトモヒカンにしてもらって、サイドは9mmのバリカンで上まで刈り上げちゃってください。後ろはトサカにしないでそのまま上まで刈り上げて構いません。もみ上げは自然な形でお願いします。
そうすると店主が奥からミニカ用のトランスミッションを持ってきました。
乗用車タイプ・・・つまりME24エンジンが搭載されたミニカのトランスミッションに入れ替えてみればどうかと。
一般的に商用車の場合の減速比(ファイナルギアのギア比)は荷物を積載して走らせる性質上トルク寄りのギア比になっています。逆に乗用車などはスピード寄りのギア比になっているはずです。このため理屈としては同じ速度で走った場合は乗用車のほうが回転が低いことになり低燃費が期待出来る、というわけです。
ちなみに先ほど”ME24エンジンが搭載されたミニカのトランスミッション”と書いたのは、オイルポンプの関係があるからです。2G10エンジンの水冷エンジンではオイルポンプ周りに違いがあり、2G21エンジンは4サイクルのためオイルポンプ自体がありません。
このため、ME24搭載ミニカに限るわけです。
早速調べてみました、トランスミッションのギア比。
ミニキャブ(T130) 1速:3.694 2速:2.350 3速:1.419 4速:1.000
ミニカ(例:A100) 1速:3.576 2速:2.096 3速:1.359 4速:1.000
なるほど、4速:1.000は同じなんだ。ってことは結局変わらないじゃん。
ようするにトランスミッションの入れ替えによる低燃費化は期待できないということになります。
出来ない・・・
???
おかしいです。
この計画と調査はおかしいです。
ここまでお付き合いして下さったヤングな読者の方ならお気付きかもしれませんが、トランスミッションを入れ替えてエンジン回転あたりの速度をどーこーしようということは出来ません!
トランスミッションではなくてリアデフを入れ替えないと何も変わりません。
『ソフトモヒカンに』って言ったのにスポーツ狩りにされました。
お客様、本日はどのリアデフに致しましょうか?
そうですねぇ~、低トルク型のサイコロステーキ下さい。和風セットで。
ソースはカストロールの”GEAR OIL MTF 80W-90”で。トランスミッションにもデフにも使えるやつね。
え?焼き加減?キツネ色に、ついでにギャップは0.7mmで。ドリンクバーはいらないです。
『ご注文を繰り返させて戴きます。サイコロステー・・』
繰り返さなくていいよ、客を使って己の自信の無さをアピールしなくていいよ。
一度でしっかり聞いて間違いのないようにするのが客のためだと思わない??
面倒な客だなコイツ、という顔をした店員は奥からミニカA101V用のリアデフを持ってきました。
そう、減速比を変えないと何も変わりません。
そんなことも知らないで旧車やっているのかよ、という声があったら素直に認めます。
早速調べてみました、リアデフの減速比。
ミニキャブ(T13x系)6.667
ミニカバン(A101V)5.833
エンジン6.667回転あたりタイヤが1回転するところをエンジン5.833回転でタイヤが1回転するので、単純に考えると同じ速度でもより低いエンジン回転数で良いことになります。
ここで無い頭を使って計算してみます。
ミニキャブの性能曲線によると、
4速 70km/h 5000rpm
となっています。
これを減速比 5.833 のリアデフに交換すると、比は 5.833÷6.667=0.874 になり、
5000rpm で走行した時の速度は 70km/h ÷ 0.874 = 約80km/h
70km/h で走行した時の回転数は 5000rpm × 0.874 = 約4370rpm
という結果になるはずです。
これはかなり違うのではないでしょうか?
ちなみにミニカA101GSS(グランドスーパースポーツ)にはオプションとして 減速比4.874というのが存在するらしいです。どのくらい変わりそうか、計算してみてください。
こんなデフを付けたらお財布に優しいことになりそうです(その代わりトルクは犠牲になると思います)。
では、入手したA101V用のリアデフに交換してみましょう!
後編につづく・・・