昭和48年時点で8種類

ME24エンジンの時代が長かったことからME24用トランスミッションのラインナップがかなりあります。もしかすると素材や構造等がまだ途上だったゆえの多さかもしれません。

これ以外にも細かい変更によるバリエーションがあるかもしれませんが、大きく分ければ以下のようになると思います。
ミニカ同士やミニキャブ同士、ミニカ・ミニキャブ間のトランスミッション移植の可否判断等の参考にして下さい。

なお、シフトレバーが付いているものは主としてミニカ、そうではないものはミニキャブになりますが、下図はそこまでのバリエーションは載っていませんので気をつけて下さい。

また残念ながら一部を除いてトランスミッションの型式が不明です(”Type”は便宜上勝手につけたもので公式なものではありません)。

バリエーション その1

360cc用トランスミッション-その1

360cc用トランスミッション-その1

空冷ME24エンジン用と初期水冷2G10用のトランスミッション。

エンジン形式と、設定されていたトランスミッションについてはコチラから確認出来ます。
Type-Cは沖縄仕様もしくは輸出仕様のため国内ではほとんど残っていないと思われます。

“TUBE”??

特徴的なのはピンクで示した”TUBE”と称される部品。
ギアケース部とリアカバー部を空間的に繋げていますが、その意図は不明。リアカバーの上部には”ブリーダキャップ”が付いており、このことからこれらは内圧を下げる何かだと思われますが・・・Type-Eにはそれが無くなっています。

“SHAFT”の種類

Type-DType-Eには他のタイプには無い“SHAFT”が付いています。
当ミニキャブELにはType-Eが設定されていることからトラックはこの種類の“SHAFT”が設定されているようです。
乗用タイプとは違うため移植の際は交換する等の対応が必要です。

バリエーション その2

360cc用トランスミッション-その2

360cc用トランスミッション-その2

水冷用とさわやか4サイクル用のトランスミッション。
Type-GType-Hのリアカバー部は画的には違いますが移植が可能のようにも見えます。

 

で、結局のところどうなの?

では移植性を考えようと思います・・・

先に結論を申しますと、

同年代の空冷ミニカ同士や空冷ミニキャブ同士、同年代の水冷ミニカ同士や水冷ミニキャブ同士であれば移植性は高いと考えられますが、同年代でもミニカ・ミニキャブ間、空冷・水冷間では移植性は難い

といったところでしょうか。

その理由として・・・

 

まさかのオイルポンプ

水冷と空冷ではオイルポンプの問題が出てきます。
同じ2サイクル同士では問題ないと思っていましたが、まさかの相違です(当たり前と言えば当たり前ですが・・)。

下の写真は、上が ’75年式 T131型 ミニキャブW(水冷)360ccの最終型、下が ’71年式 T130型 ミニキャブEL(空冷)です。

オイルポンプの相違

オイルポンプの相違

先述のトランスミッションの図ではどちらもType-Eになりますが、この写真を見るとオイルポンプ周りが変更されていることが分かります。
空冷車(写真下)のほうは底面にオイル抜きのフタとオイルポンプがありますが、水冷車(写真上)はふさがれており空冷のオイルポンプが付いているところにドレンボルトが存在します(肝心な水冷車のオイルポンプは・・・エンジン側に付いています)。

よって、この違いを見る限り空冷車に水冷車のトランスミッションを移植することは出来ないことになります。
但しその逆、水冷車に空冷車のトランスミッションを移植することは可能かもしれません・・・単にオイルポンプの存在を無視すれば良いわけです。

 

まさかのスプライン

トランスミッション本体ではありませんが、その周辺にも違いがあります。

クラッチ板のスプライン

ミニキャブ系のクラッチ板

これはミニキャブLT30、T130、T131用(恐らくミニカピック LT23、25も)のクラッチ板ですが、なんとミニカ系と違います。
この通りミニキャブ系のスプライン歯数は「6」となっています。

 

対してミニカのクラッチ板は・・・

ミニカ系クラッチ板

ミニカ系のクラッチ板

このようなスプラインの歯数になっています。
このためミニキャブ系のトランスミッションと入れ替える(もしくはミニカ系と入れ替える)場合は、クラッチ板も合わせて交換する必要があります。

 

まさかのフライホイール

まだあります。
なんとミニカとミニキャブではフライホールは同じではありません。

こちらはME24エンジン用のミニキャブのフライホイール。

フライホール

ミニキャブ用のフライホール

 

こちらがME24用のミニカのフライホール。

ミニカ用フライホール

ミニカ用フライホール

自分教習用エンジンのものでサビサビで恐縮ですが、ミニカ用はこの通り切り欠きがあり少し深い構造になっています(ミニキャブ用よりも出幅が大きいようにも見えます)。
何故違いがあるのかは分かりませんが、深さ(出幅)が違うため単純にミニキャブ系(もしくはミニカ系)のトランスミッションと入れ替えることが出来るかは慎重に対応したほうが良いかもしれません。

 

え?まさかのクラッチカバー

同じだろうと思っていたクラッチカバーが違うことに気が付きました。

クラッチカバー

クラッチカバー

上がミニキャブ用、下がミニカ用です。
ミニキャブ用の型式は V32105 となっていますが、ミニカ用は V32016 となっています。
同じように見えますがよく見ると凹凸がついていたりしており、もしかすると取り付け時の高さが違うのかもしれません。

 

まとめ

「移植時の参考になれば・・・」と思って綴ってきましたが、オイルポンプやクラッチ周りの相違があり同車種以外の移植の可能性はあまり高くないように思います。
もちろん「全然ダメ!」というわけではないと思いますので、違いをよく確認した上で検討して下さい。

画で見るトランスミッションとその互換性” に対して2件のコメントがあります。

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