こちらは2016年8月に作業をした際の記録を元にした改訂版です。
特殊工具があればすぐ外せます。
特殊工具がなけれがすぐ外せませんので代替方法で取り外します。
まずは正規の方法を紹介。
と言う感じで基本的にはテーパツールを差込み回すだけの簡単作業。
その特殊工具であるテーパツールはこのようになっています。
ファン取り外し側とアマチュア取り外し側の”両刃”になっており、ネジサイズは上図の通り。
ファンの取り外し原理は以下の通りです。
ファンはテーパー状になっているクランク軸の先端に差し込まれています。
このファンを留めているセットボルトを外してテーパツールをねじ込んでいくとすぐ奥で突き当たりになりますが、さらに回すことによってネジの反力によってファンが浮き上がって外れます。アーマチュア(コイル)も同様の原理です。
ネジピッチ図
神奈川のQMA DESIGNさんが作成したネジピッチ図。
こちらを参考にしてそれぞれボルトを用意しても良いでしょう。
準備するもの
テーパツールの代わりに市販のオイルドレンボルトが利用出来ることをミニキャブLT30乗りのN氏が発見しています。
用意1:Φ20 X 1.5ピッチのドレンボルト。
ドンピシャサイズが売っていますが長さが短いのでそのままでは使えません。
用意2:NNスペーサ
ドレンボルトの長さが足りないので奥にスペーサを入れて高さをカバーします。
このスペーサはN市のN氏が作成したもので(=NN)、ナットの角をグラインダーで落としてウマいこと合うサイズにしています(予価¥19,800。値引き可)。
この内径に合えば何でも良いので例えばワッシャーを数枚入れても良いかもしれません。
取り外し方
まずは回り止め。
フライホイールとアッパーケースを適当なアングルや板状のもので固定します。
フライホイール側のボルトはクラッチカバーのボルトを使用すればOK。
中心にNNスペーサを入れます。
ドレンボルトをねじ込みます。
ねじ込むとあるところで固くなります。
その状態でほんの少しだけねじ込むとファンが浮き上がると同時にドレンボルトの締め付けトルクがゼロになり一気に緩みます。
注意!
ドレンボルトは一気にねじ込まないで下さい。
ファンは固くガッチリとセットされているため、一気にねじ込むとドレンボルトのねじ山が負けてナメテしています(経験者:最初はファン側のネジ山をやってしまったかと焦った)。
ねじ込んでいて固くなったら一度力を緩めてナメそうかどうか勘と経験を頼りに慎重に行って下さい。
ナメそうな気配がある、もしくは心配なら無理せずに以下の方法を行い、リトライして下さい。
ドレンボルトを軽くハンマリングします。
場合によってはファンが手前に落ちてくるかもしれません。
もし何ともない場合は再度ドレンボルトを慎重に締め付けて下さい。
これを繰り返せば外れるはずです。
はい!外れました!
番外編
エンジンを下ろさず車上のまま行うやり方もあります(強引ですが)。
まずギアを1速に入れ車止めをします。
次に、作業手袋をした手でファンを正回転方向に回らなくなるまで回してその状態をキープしたままドレンボルトをねじ込みます。
ドレンボルトをねじ込んでファンが回ってしまったらさらにその状態をキープします(ファンが回らなくなってから初めてドレンボルトにトルクがかかりますので)。
あとの要領は同じです。
改訂
2018.08.05 ネジピッチ図追加