意外と手こずるシリンダ外し

シリンダ外しに取り掛かります。
文章にすると3ステップです。

  • シリンダヘッドを外す
  • シリンダを固定しているナットを全て外す
  • シリンダを抜く

が、年月が経っているとそうは問屋が卸しません。
たったの3ステップですが思っていたよりは時間がかかるかもしれません。

ガスケットがへばりついて簡単には外れませんし、と言って手荒く扱うと後戻り出来ない事態も想定されます。
このためゆっくり落ち着いて作業しましょう。

 

まずはシリンダヘッド外し

極論を申し上げればシリンダヘッドを外さなくても作業は出来ますが、このページの構成上シリンダヘッドを外すことにします。
プラグは抜いても抜かなくてもOKですが、シリンダヘッドを外してしまうと外しにくくなることを付け加えておきます。

 

 

シリンダヘッドとナットの取り外し

シリンダヘッドとナットの取り外し

最初に天面のボルトを緩めて抜き取ります。
そして、シリンダヘッドをそ~っとゆっくりと持ち上げてみて下さい。

シリンダとシリンダヘッドの間には薄いアルミ(年代によっては銅製)のガスケットが挟んでありますので、最初はそ~っとです。
一気に持ち上げると曲げてしまう可能性があります。

張り付いているようでしたら、赤矢印のところにマイナスドライバーを突っ込んでCRCを吹きながら軽くこじる感じで持ち上げて下さい。
もしくは持ち上げない状態で回転させるようにヒネリを与えてみてください。

整備書には「再利用不可」と書いてありますが、新品をお持ちの方以外は再利用しますので丁寧に扱って下さい。

ガスケットは再利用しますので。

再利用しますので。

 

そしてシリンダ外し

シリンダとクランクケースに留めているナットを全て外します。
ナットを外した状態でシリンダがグラつくようでしたらすぐ外れるはずですが、40年近くの年月が経っているとガスケットが張り付いてしまいビクともしないと思います。

このような時は慎重にかつ大胆に・・・

大胆に。

大胆に。

マイナスドライバーを挿しこみます。

画像のようにピストンが上死点に来ていない状態にし、シリンダの間にマイナスドライバーを挿しこみハンマーのような何かで叩きます。
一気に叩いてしまうと内壁を傷つけたりコンロッドを曲げてしまう可能性があるので、ゆっくりと徐々にシリンダが軽く傾く(もしくは浮く)程度まで叩きます(ミシッ!と紙が剥がれるような音がする場合もあります)。

軽く浮いてきたらクランクケースの間にマイナスドライバーを突っ込むなりしてこじるようにしてシリンダを外します。
この時にクランクケースに傷を付けないように慎重に行って下さい。

これでシリンダが外せるはずです。

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