ミニキャブEL エンジンスワップ(7) オイルシール
オイルシールのインストール
これは緊張レベル7の作業。
この矢印の部分にオイルシールを入れます。
入れる際の注意としては以下。
- 真っ直ぐ傾かないで入れる
- 奥まで入れすぎず、オイルシール止めの場所で面イチにする
- シャフトが当たるリップ内にはグリスを充填する
当時と同じ規格サイズのオイルシールは入手出来ますが、残念ながら正規品より厚みが1mm足りないのしか入手できず→問題ないのでそれを利用、です。
特に2番目のオイルシールを止める場所は注意。
これをミスするとどうなるかは以下の画像確認すると分かります。
この状態が規定位置です。
準備するもの
オイルシール前後それぞれ2ヶ。オイルシール止めそれぞれ2ヶ。
オイルシール止めは当時使われていたものは以下です。
これはN市のN氏がバネ屋で当時モノと同じのを特注で作ったもの。クリップ。
100万キロくらい走らせるとそのうち折損事故を起こします(S市のS氏もN市のN氏も経験済み。恐らくN市のK氏が一時所有していたLT30バンも・・・)。
そのための対策か分かりませんが、G型エンジンはリア側のみ先のような止め輪が入っていました(当時どこかの整備屋が入れた可能性もありますが・・)。
そこで折角ですのでフロント側も止め輪にしたく、時間とお金をかけて色々調べたところ規格が判明し入手!
グリス
オイルシールのリップ内側に塗布(充填)するグリスです。
耐ガソリン性のものがいいのかどうか悩むところですが、今回は余りまくっていた高級フッ素グリスを使用。
そして、あとは・・・
これ。
時間とお金をかけて探し出した最も安価で最もいい仕事をしてくれる道具。
本来それ専用の特殊工具が必要ですが、
イリマセン!
金が無かったら頭を使うのが当相談所のポリシー。
安心してください、しっかり貫いていますよ!
こういう治具を考えたりするのも楽しみですね。
駄菓子かし、これの遥か上を行くもっとスゴイのがあとで出てきますのでオタノシミニ!
そしてこれをテープでとめます。
下にある黒いのはオイルシール。丁度のサイズですね!
入れる奥行を測っておく
奥に入れすぎないようにするためにどの位まで奥めれば良いか測っておきます。
トランスミッション側(リア側)は規定位置まで5.5mm。
フロント側は2.85mm。
で、結論から申しますと、この作業はいりません。
はい、次。
グリスアップ
オイルシールにグリスアップします。
画像では外側に塗布していますが、内側の凹部分に充填するように塗布します。
また、オイルシールをインストールしやすいように外周部に薄く塗布すると良いでしょう。
緊張レベル7の作業
フロントを例にして緊張作業を。
オイルシールが落ちない程度に手ではめたらあとはこのようにしてハンマーで叩いて打ち込みます。
一気に強く叩くと曲がったままズボっと入ってしまうのでそれは禁じ手。
オイルシールが動いたかどうか分からない程度の強さで加減をしながらじっくりと叩いて根気よく何度も行います。
慎重に行っていても、真っ直ぐ叩いているつもりでもこのように曲がってしまうことがあります。
この場合はインストーラを出っ張っている部分のみに当ててハンマリングして修正して下さい。
その際も一気に修正しようとすると曲がったまま奥まで入ってしまったりするのであくまでもじっくり根気よく。
その修正はこのようにクランクケースのツラになる位までには済ませて下さい。そうでないと修正し終わる前に既定の位置まで到達してしまい致命的になる可能性が大です。
致命的とは、取り外してそれを破棄し新しいのを再度入れる必要があるからですね。
基本的には再使用不可で。
止め輪を入れる
再びオリジナル治具。
止め輪を扱うためにラジペンを加工したもの。
先に段差をつけるようにヤスリで削っています。
元々ブレーキマスターシリンダの止め輪を扱うために加工したものですが、今回再び出番が回ってきました。
ちなみに止め輪専用の工具も¥1500以下で売っていますがこれで頑張るのが当相談所のポリシー。
専用工具ではないので止め輪が縮まりにくくかなりコツが入りますが、出来なくはないです。
¥1500を浮かすぞ!と心に思って作業をすれば大丈夫。
止め輪の入れ込みも完了の図。
確実に溝に入っていること、片よりがなく均一に入り込んでいることを確認して下さい。
これでフロント側は完了。
超オリジナル工具
N市のN氏が作成したインストーラ・リア用。
名付けて
NNインストーラ
ワタシのインストーラではリアのシャフトのでっぱりが逃げ切らずこれが必要。
恐らく8万円くらいすると思いますが、特別に借りています。
使い方は同じですが、これのすごい所は絶対に入れすぎにならないところ。
オイルシール側が段違いになっており規定以上入らないようになっています。
このあと、リア側も同じように止め輪を入れればオイルシールインストール作業は完了!